台風が過ぎるまではゴウゴウと風が激しかった。
台風が過ぎるとシーンと静まり返っている。
夜明け前。
外に出てみると、ゴミ箱が倒れ、自転車も倒れ、
木の枝が飛び散り、枯れ葉はあちこちに散乱している。
ほんのり太陽の明るさを感じ始める冷たい空気の中、物音がほとんど聞こえない街は廃墟のような、なんとも言えない退廃的な雰囲気に包み込まれている。
世の中の終わりのときってこういう感じなんだろうなって思う空気。
世の中が終わったこともないのに、そういう風に思える空気。
なんだろう、あの空気。
これがオレの生きる道。